「なぁ、垣田。消しゴム貸して。」 授業中、高橋に声をかけられた。 周りに気を使っているのか、かなり小声で、聞き取りづらい。 「わりぃ、忘れちゃってさ。」 「別にいいよ。はい。」 私は高橋に消しゴムを渡した。 「えっ…?」 消しゴムを渡して少し時間が経った頃、高橋が声を出した。 突然だったので、私はびっくりして、高橋の方を向いた。 私は小声で、 「なに?どうしたの。」 と聞いた。 すると高橋は、 「なんでもない。」 と言って、下を向いた。 絶対、何かある……。