放課後…私より早く、彼は屋上に居た。

「なんだよ」

ぶっきらぼうに言う。

そんな彼がかわいく思えて、なんだかくすっと笑いたくなる…けど、がまんがまん。

「あのね、あきらくん…ちょっとのあいだだけ、目つぶってて?」

「わかったよ」

そう言って、ゆっくり目をつぶるあきらくん。

夕方4時の放課後。

クーラーもなにもない、ふたりだけの屋上。

セミの声は昼間よりしない。

太陽はゆっくりと沈んで夕日になる。

空がだんだん赤くなる。

私の鼓動はだんだん早くなる。

いけない、ここで止まっちゃ、だめ。

心からのドキドキ、あきらくんに聞かれたら恥ずかしいよ…