disharmony

「それより、

今日バレンタインじゃん」






翔太はそう言うと嬉しそうに、子犬のような瞳であたしの顔色を伺ってくる。






「そーだね」






「チョコは?」






「ないよ」






「はぁ!!??」






「どうせあんたのことだから、

他の子からいっぱいチョコ、貰えたんでしょ?」





あたしはそう呟くと、覗き込んでくる瞳から、ふいと顔をそむける。







むかついたから、

絶対やんない。






本当はあげようと思っていたけど、

悔しいから、あげてやんない。






顔をそむけたり、

“あげてやんない”なんて、

そんな自分の、子供染みた動作や考えに泣けてくる。