冬の良く晴れた 日曜日。
1LDKの綺麗に掃除された部屋。寝室のベッドはふかふかで、この部屋の主人である30歳の女性は、まだ寝息をたてている。

 AM8:30。
アラームがなる。顔をしかめて ふかふかのふとんから、ゆっくりと腕をのばす。
冬 真っ只中。室内は冷え切っている。
(う~・・・。寒い。 起きたくない・・・。)
とろとろと、また 睡魔がやってくる。

(だめだ。今日は 資源ごみの日なんだから!)
週に1度の資源ごみの日。先週は寝過ごして、出せなかった。
牛乳パックがたまっている。

 えいっと、名残おしいふとんから 体を離す。
すぐに、リビングのエアコンのスイッチを入れる。もこもこの上着を さっとかけて、資源ごみを抱え、ドアを開ける。

外気は、氷つくように寒い!2階から、1階隅のごみ収集コンテナを目指す。
サンダルで 出てきたので、足が凍りそうだ。口から出た息も 真っ白だ。

ぼん!とコンテナの中に 持って来たごみを入れて、またコンテナの扉を閉める。
任務完了!。
 後は、部屋まで戻るだけ。帰りは階段を上らなくてはいけないので、ちょっと辛い。 はあはあ、言いながら部屋にたどりつき、温まり始めた室内に逃げ込む。

「あー、寒かった・・・。」
思わず声が出る。
 佐々木 千華30歳。イラストレーター。

「・・・おはよ~。どこ行ってたの?」
ぺたぺたと、さっきまで寝ていたベッドから起き出して来たのは、甘いマスクの可愛い彼氏。末っ子丸出しの甘えん坊。同じ年だけど、並ぶと必ず年下に見える。
 早乙女 健二30歳。美容師。