ヒトメボレ~恋する乙女~

「あのね…お嬢ちゃん…それは移動したって言わないから。」


野菜を並べる手を止める程呆れた表情のオジサン。


「ちゃんと移動しましたよ!」


そう、私はちゃんと移動した。
右に2cmぐらい


「そこも私の店の前に入っているから。」


私は、だんだん腹が立ってきた。優と現れないってだけで、少しイライラしているのに、、、

追い討ちをかけるように、このオジサンが文句を言ってくる

「移動すれば良いんでしょ!!」


今度は、左に2cm動いた。


「元の位置に戻っただけじゃないか!」

オジサンもだんだん腹が立ち始めたのか、少しずつ歩み寄ってくる