台所に向かいお母さんを見つけると、ゆっくり手を出した


「お金!」


反抗期の少女のように、不機嫌全開で言う。


「お金?あ、はい。840円。」


細かい。お釣りとかお駄賃とかくれる気ないんだね、お母さん…

小銭を受け取りスカートのポケットにしまい込む


「ヒラミ!気をつけて行って来なさいよ!知らない人には、絶対ついて行ったらダメだからね!」


台所からそう大きな声で言うお母さん。

私、一体何歳に見えてるの?

なんて疑問に思いながら私は家を出た。