┼ ┼ ┼ 時刻は一時五十分。 出発まであど十分程度。 学校の奴らは見送りに来ることもなく、普通に授業を受けているんだろう。 今は五時間目か? 「たっくん!早く!飛行機でちゃうよ~」 「・・・あぁ」 日本ともお別れだ。 別に、直樹と一生会えないわけじゃない。 クラスの奴らだって、会おうと思えば会えるんだ。 ためらうことなんてない。 後悔なんてあるはずはない。 あるとすれば───── 考えるのは、やめよう。