ふわっ 俺は優しく、包み込むように天瀬を抱き締めた。 「はっははは長谷川!?」 天瀬の顔は見えないが、たぶん真っ赤になっているんだろうな。 声から動揺してるし。 天瀬の 優しい香りがする。 嬉しかった。 俺は母さんのことが嫌いなはずなのに 嬉しかったんだ。 泣きそうになって。 なぜか愛しくなって。 抱き締める力が強くなる。