その彼女の後ろから、ザクザクと不規則な砂を蹴る音がする。 彼女へ歩み寄って来た男性、名は遠海波人(とかいなみひと)。 男性らしいガッチリとした体格に、それに見合う程の身長があり、風に靡(ナビ)く金髪と、それによく合う焦げ茶色の瞳に整った顔が印象的な男性だった。 彼は穏やかな表情を浮かべ、前にいる彼女の華奢な身体を抱き締める。 そして、彼女も甘んじてそれを受け入れる。 波の音が酷く心地良い。 波の音が酷く不快感だ。 月が、二人を笑った。 そんな、ある夏の思い出の話になる。