「ただいま」
なんて言ってもまだ誰も帰ってきてない
時間は7時10分
時計ばかりを気にして
なかなか落ち着かない
「落ち着け。幼馴染が来るだけだ」
らしくもなく独り言をいってしまう
リビングのソファに座り
とりあえずテレビをつけた
とりあえず時計は見ないようにしよう
テレビでは最近人気のお笑い芸人が登場して
順番にネタを披露していっている
「こんばんは」
気づくと目の前には小さな男の子の顔があった
周りを見渡すと家のリビングではなかった
白い部屋
いつもの夢の中にいるんだ
「今日、会うんだね」
「会うって?」
「だって、家にくるんでしょ?」
「家に来るって美和のこと?」
「そうだよ」
「何で美和のこと知ってる?」
「だって僕は・・・・」
突然自分の足元が下に落ちていく感じがした
すべてを聞く前にまただ
「またか・・・」
肝心な事を聞けない
「ちゃんと話を聞いてあげてね」
上に見える男の子が大きな声で言った

