共働きの両親はそんなあたしが学校を休んでいる日中の間に
あたしを一人家に残しておくことをひどく心配して




昼から夜までの仕事の間だけ、母方の祖母の家にあたしを預けた。











車で片道30分の微妙な距離。








郊外にある祖母の家は古く大きく、どっしりとしていて、







陽射しがあまり差し込まない部屋はいつもひんやりと暗く湿っていた。






…あたしは祖母のことは大好きだったけれど、祖母の暗い家は正直なところ苦手だった。








畳の匂いと着物の布の粉くさい匂い、




広い庭に生い茂る季節の草花なんかも、




幼いあたしにとってはうんざりする程古めかしいものだったのだ。