私は、周りを見た。


優斗や樹の顔も真っ赤になってる…?


何故?


あ。もしかして、私のあの“うるうる目攻撃”を見ちゃったの?


最悪…


でも、この部屋にいるんだから…


嫌でも見ちゃうよね…


うん。それは、仕方ないよね…


『で、なんで来たの?』

健「ん?別に?用事ないけど?」

『はぁ…』


用事ないのに来たの…?


あれ?でも…


『医者って忙しいんじゃないの?』


確か、本にそう書いてたような気がする…


健「まぁな…忙しいけどな…」

優斗「へぇ…医者って忙しいんだ?」


あれ?知らなかったの?


茅「時間いいの?」

健「ゲッ!会議があったんだ!俺、帰る!じゃあな」


そう言って、嵐みたいに去って行った。


優斗「ホッ 菜々~!」


ーーギュッ


『どうしたの?』

優斗「ありがとう~!」


はい?何が?


茅「“助けてくれてありがとう”って言う意味だよ!」


助けてくれて?


優斗「健さんにボコられるとこだった…」


あ。そのこと?


『別に。うるさくなるからね』

優斗「なるほど…」


わかんなかったの?


だって、健ってボコる時…


ギャーギャー騒ぐし…


本当にうるさいもん…


毎回、私が殴ってるけどね。


ウザイから…


まぁ。仕方ないよね。


『ねぇ。今、何時?』

優斗「9時」


9時か…


なんか、用あったっけ?


ない…よね…


でも、父さんに怒られるからね…


『私、帰るね?』

茅「親父さん?」

『うん。うるさいから』

茅「そっか…じゃあね?」

『うん。バイバイ』


私は、ダッシュで倉庫を出た。


早く、家に帰らないと…


倉庫に出入りするの禁止されちゃう…


前、時間すぎて出入り禁止されたんだよね…


あとで、ボコボコにしたけど。