菜々side


私は、櫂人の過去を聞いて同情しようなんて思わなかった。


だって、櫂人も同情なんてしてほしくないと思う。


それと、私もしたくない。


だって、「可哀想だね…」「私も同じことあった」とか言われて嬉しい?


「わぁー!同じ人がいたー!」


って喜ぶ?


喜ばないでしょう?


喜ぶ人は、あほだね…


で、今櫂人に抱き締められてる。


別に、悪い気はしない。


だって、誰だって人の温もりを味わいたいと思う。


もちろん、私のその一人。


だから、櫂人のおかげで助かった。


なんだけど…


櫂人がさっきから、にやにやしてる…


それ、外でやってたら不審者と間違えられるよ?


櫂人「ねぇ…菜々…kissしない?」


!!??


櫂人、とうとう頭が…


イカれたか…


しかも、kissって好きな人どうしでするもんでしょう?


櫂人は、女の私とkiss出来ないはず…


だから、冗談だね。


『冗談は、いいよ』

「冗談じゃない」


確かに…


そうっぽい…


櫂人の目が本気だもん…


『kissしたら…櫂人の闇を取り除ける?』

「もちろん←嘘」

『じゃあ、いいよ』


櫂人の闇がなくなるなら…


「ありがとう」


ちゅっ


がちゃ


げっ…


白蓮がきた…


剛「あれ?開いてましたね?」

大翔「櫂人がいるんじゃないのー?」


ホッ


私達には、気づいてない。


って櫂人…


kiss、長い…


大翔「あれー?櫂…人…?」


白蓮が私達を見て…


固まった…


おい!!固まってないで、助けろよ!!