in家の前


女の子の震えは、いつの間にか止まっていた。


よかった……


「あのぉ…ありがとうございます。よかったら…名前を教えてください…」


え…?名前…?


どうしよう……


あ。あれでいいか……


『桜龍だ』

「え…!?」


女の子がすごく驚いた顔をした。


そりゃ、そうよね……


急に「桜龍です」って言われてもね…


桜龍は、誰でも知ってるしね。


「そうですか…あのぉ…」

『ん?なんだ?』

「よかったら…倉庫を教えてください。今度、お礼をしたいので…」


え…?倉庫を…?


さすがにそれは……


『ごめん。それは、無理だ。華龍の倉庫は誰にも教えられない』

「でも…!!お礼がしたいのですっ!!」


お礼ね……


あれやるか。


『俺は、なんでもいい。てか、しなくてもいいぞ?』

「いえ。ダメですっ!」


私は、彼女の真剣な顔に負けた。


『わかった』

「あのぉ…じゃあ…kissを…////」


は?kiss…?


口に…?


『頬でいいか?』

「は、はい…////」


仕方ない。


やるしかないか……


『わかった』


ーーチユッ


私は、頬にkissした。