高校時代に初めてできた親友は
後に俺の大事な人になりました。
―アホすぎる俺と男前すぎる彼女との愛の奇蹟―
織(しき)との出会いは今から丁度3年前の高2の春。
あの日は雲ひとつない晴天で気持ちのいい風が吹いていた。
初めてその高校の門をくぐったその時までは友達沢山作ってやると意気込んでいた俺だったが、すぐにその考えが甘かったことに気づかされる。
気の弱そうな女の担任の先生に連れられ教室に入るまではよかった。
担任の桜井先生に促されるまま、俺は普段通りに。
馬鹿みたいに明るい声で、それはもうフレンドリーに自己紹介をし、簡単な挨拶をした。
ばっちり心を掴んだと思ったのに世間の風は俺にあまりにも冷たかった。
予定では歓迎ムードの拍手とともに新しい友人達とハイタッチをしている筈だったのに、
返ってきたのは冷え切った視線と耳鳴りがする程の静けさで。
俺にとってそれはあまりにもショッキングな出来事で午前中の授業は開いた口が塞がらなかった。
昼休みのベルが鳴るのと同時に俺は教室から脱出し、全力疾走で小奇麗な校舎を駆け抜けた。