「変声してしまったら、
今度はこっちの声を忘れてしまうんだなぁ…」
「不思議だね。
今はチャドと一緒にいなくてもチャドの声、すぐに思い出せるのに」
「思い出の中の声も、いつか低くなるんだよ」
「そっかぁ…」
「…カンナの記憶の中ではさ、」
「うん?」
「記憶の中での僕は、カンナに何て言ってるの?」
記憶の中の、チャド…
「…歌ってる」
「歌?」
「うん。
私、チャドの歌声が好きだから」
「…そっか。
じゃあ明日の礼拝は、もっともっと心を込めて歌うよ」
「あはは、すごい楽しみ」
そうだ、いつかチャドの歌声も、こんなに大好きな笑顔も、思い出せなくなる瞬間が私に訪れるのだろう。
あの日窓辺から飛び去っていった小さな蝶のように、
今度はチャドが、私の元から飛び立ってしまうのだ。
あの遠い青空に向かって、
その羽を、大きく広げながら。
今度はこっちの声を忘れてしまうんだなぁ…」
「不思議だね。
今はチャドと一緒にいなくてもチャドの声、すぐに思い出せるのに」
「思い出の中の声も、いつか低くなるんだよ」
「そっかぁ…」
「…カンナの記憶の中ではさ、」
「うん?」
「記憶の中での僕は、カンナに何て言ってるの?」
記憶の中の、チャド…
「…歌ってる」
「歌?」
「うん。
私、チャドの歌声が好きだから」
「…そっか。
じゃあ明日の礼拝は、もっともっと心を込めて歌うよ」
「あはは、すごい楽しみ」
そうだ、いつかチャドの歌声も、こんなに大好きな笑顔も、思い出せなくなる瞬間が私に訪れるのだろう。
あの日窓辺から飛び去っていった小さな蝶のように、
今度はチャドが、私の元から飛び立ってしまうのだ。
あの遠い青空に向かって、
その羽を、大きく広げながら。

