さよならの見つけ方 第1章

私が3才を迎えた頃、いきなり弟が出来た。






ある夜、男の子の赤ちゃんが入った小さな籠を、ロバートがキッチンまで運んできたのだ。





何年か後に聞いた話によると、私が捨てられていた場所と全く同じ所に、その籠はひっそりと置いてあったらしい。






寝息すら立てずに眠る男の子の、白い顔の横には小さな手紙が置かれていて、


“――――神のご加護がありますように”



と、震える文字で書かれていた。






優しく、細い文字だった。








その文字をゆっくりと指でなぞったロバートは、少しだけ悲しそうな顔をして、



その後すぐにいつもの笑顔に戻り、こう言った。










「この子はマイケルと名付けよう。

カンナ、弟が出来たぞ」