さよならの見つけ方 第1章

今日私は12才になった。









12才、12年。



ロバートの家に来て、12年。



教会の玄関の大きな扉の下で、ロバートに見つけてもらってから12年。










春、

満開のマグノリアの匂いの中で毛布に包まれた私が小さく泣いていたと、ロバートはいつか話してくれた。










本当の誕生日なんて、誰も知らない。






そう、自分自身でさえ、いつなのか。









ロバートが私を見つけて父代わりになってくれたその日が、私の誕生日だ。












小さい頃の私はどんなだった?と尋ねると、



大きな病気もせず、頭の回転が早い優しい子だったよと、いつもロバートは話してくれる。






いつでも皺の深いその大きな手で、私の頭をなでながら。