さよならの見つけ方 第1章

髪の色も目の色も、私とチャドはよく似ていた。






どうしてママがいないのか、



そしてどうして私だけ肌の色が違い、髪も目も黒いのか。



ずっとそれが私の心の中で小さくくすぶっていた。






マイケルやロバートと楽しく笑い合っていても、いつもどこかで。







色の白いマイケルはまだしも、東洋系の私はどう見てもロバートの子供には見えなかった。










人種のるつぼであるロンドンでは、日本人の存在はそれほど珍しいものではない。





けれど少し市内を離れて郊外に出ただけで、そこはやはり白人の街になる。










人種が違うこと。



肌の色が違うこと。



一目見ただけで分かってしまう家族との違いは、幼い私の心に出来た小さなしこりのようだった。






口には出せないけれど、いつも胸の中で。