さよならの見つけ方 第1章

「ね、後で家に行ってもいい?

チャドに見せたいものがあるの」






「どうしたのいきなり」






「ね、いいでしょ?」






「いいけど…、

見せたいものって何?」






「だめ。まだひみつ」






「あはは、気になるよ」






「だめー。

楽しみにしてて」






「いいものなの?」






「うん、

さっきずっと教えてたのに」










「…目で?」






「うん、目で」










「…歌に集中してたから、上手く受信出来なかったみたい」






そうおどけてみせるチャドが、もっと修行しないとね、と笑う。









「午後は多分ずっと部屋にいると思うから、上がってきて」






「うん。

ご飯食べたらすぐ行くから」






そう言って手を振り、家へ向かおうとする私の姿を見付けて、マイケルが嬉しそうに駆け寄ってくる。






マイケルと一緒になってチャドや聖歌隊のメンバーに手を振りながら、二人で帰路についた。














ソロが上手く歌えた嬉しさからか、小さな弟の頬はまだ心なしか上気しているように見える。