さよならの見つけ方 第1章

早々と出掛けていったマイケルやロバートとは別に一人で教会に向かい、一番後ろの席に腰掛ける。






聖歌隊席に整然と並ぶ白いローブの少年達。



1列目のちょうど中央に、小さなマイケルが緊張した面持ちで佇んでいる。








いつもなら私の姿を見つけると嬉しそうに微笑んでくれるマイケルの瞳に、


きっと今、私は映ってはいないのだろう。










ソロを任されるようになってから、マイケルの瞳の深さが少し変わったような気がする。






“責任”という言葉の意味を知り、元々張り切っていた練習に対して更に熱心になった。










もうすぐ、マイケルのソロパートだ。










マイケルの上手さを知っている。






きっと今日も危なげなく、ソロをこなしてくれるのだろう。







だけどいつもこの瞬間は私にまであの子の緊張が伝染して、手に汗を握ってしまう。