さよならの見つけ方 第1章

…そうか、今日はロバートの聖歌隊でマイケルがソロを歌う日だ。






そう言えば昨日から何となく、そわそわした素振りを見せていたっけ。












私達の父代わりであるロバートは、近くの教会で聖歌隊を教えている。






近所に住む男の子だけで構成された、トレブル(ボーイソプラノ)の聖歌隊。






日曜礼拝で聖歌を歌ったり、

孤児院や介護施設にボランティアで歌いに行ったりするのが、ロバートの聖歌隊の主な仕事だ。






毎週水曜と金曜の夕方に行われる練習には、私もよく見学に行ったりしている。









ロバートの教える聖歌隊は、まるで一つの大きな楽器のようだ。






率直に分かりやすく言うと、とても上手なのだ。










一つ一つの音を奏でながらメロディーを作っていく。



緩やかに音が重なり、何重ものハーモニーになる。






その瞬間ぶわっと体に流れ込んでくる、音の波。










教会の天井に染み渡る美しい旋律は、幼い頃から私の心を確実に癒してくれるものだった。