『私と二人きりなのに、

男に電話か?』

・・・

その声を最後に、携帯は切れた。

・・・

呆然とするオレ。

・・・

今の男の声には聞き覚えがある・・・

・・・

そうだ。

夏樹の上司、東条義嗣。

・・・

オレと同期の奴で、

仕事も出来るから、

夏樹の事を託しはしたが・・・

今の電話は、

ちょっと、いや、かなり、

意味をはき違えてるらしい・・・

・・・

義嗣には、

夏樹と結婚してる事を

まだ報告してなかったな。

・・・

イヤな予感がしたオレは、

取引先から直帰する予定を取り止め、

会社に戻る事に・・・