「夏樹、しゃがめ!」

・・・?!!

その声とほぼ同時に、

私は遥斗を抱えて、

しゃがみ込んだ。

・・・

物凄い音と同時に、

望がその場に倒れこむ。

・・・

たくさんのギャラリーが見守る中、

一体何が起きたのか。

・・・

私は顔を上げて、

そちらに目をやった。

・・・

「・・大丈夫か、夏樹」

巧の言葉に、

何度も何度も、頷いた。

・・・

巧はホッと溜息をつき、

私を起こし、抱きしめた。

・・・

望は思いっきり殴られたらしく、

気を失ってる様子。

・・・

安心した私は泣き出した。

それに気づいた巧は、

より一層強く抱きしめる。