「あの、巧」

「・・ン?…あ、まって」

・・・

くそ~。

こんな時に、

タイミングよく、

電話が鳴りだした。

・・・

しかも、仕事の電話らしく、

なかなか終わりそうにない。

・・・

それから約30分。

・・・

「悪かったな。…で、さっき、

何が言いたかったんだ?」


「え・・・あ。

ううん、なんだったっけ?

忘れちゃった・・・

思い出したら、また言いますね?」

・・・

言う決心が鈍ってしまった。

・・・

そして等々、

当日まで、何も言えなかった・・・

もう、決断力なさすぎよ、夏樹!

と、自分で自分に、怒っていた・・・