…クスッ。

私の耳元で、笑い声が聞こえた。

・・・

そして、次の瞬間、

私の耳にチュッと、口づけ。

私はくすぐったくて、


「巧・・くすぐったいです」

「・・・」


「・・・・・?」

・・・

いつもの巧なら、

何か反応があるのに、

何の反応もない。

・・・

重たい瞼を、

私はゆっくりと開ける。

・・・・

ぼんやりと、

目の前に人が映った。

・・・

目をこすり、

その人の顔を確かめる。