大嫌いなバレンタイン







「……っ! んんー!」




横目であることに気づいたあたしは、必死に雪乃の胸をどんどん叩く。





「……んだよ、いいとこなのに」



不機嫌そうにようやく唇を離してくれた雪乃に、あたしはガラスの向こうを指差した。




「……っ人! こっち来るからっ」


「んー?」




こっちに向かって歩いてくる、若い男の人二人。



ここの駐車場に来るってことは、たぶん雪乃と同じ会社の社員なわけで……。





「いいじゃん、見せちゃえば」



「……は?」



「もうスイッチ入っちゃった」



「……っ、ゆ、雪乃……やっ」







だけど、話を聞いてくれない彼はもうすっかりエロ狼モード。