「だって……」 「だって?」 「さっき……女の人から、チョコケーキもらってたじゃん……」 「……あー、瀬川のことか」 少し考えた雪乃が、そう呟く。 瀬川さん……っていうのか、あの女の人。 「あれ、義理だよ?」 「で、でも……比べられたくないんだもん」 「はは、残念でした」 「……え?」 その言葉の意味が理解できずに、にこやかな顔をしている雪乃に首を傾げた。