大嫌いなバレンタイン






「だからさ、時々考えるんだよね。もし俺と小夏の間にその半年がなかったら、こんな心配しなくていいのにって。もっと一緒にいれるのにって」




「や、やめてよ……! なんかバカップルみたいじゃん」




「じゃあ、小夏は俺と一緒にいたいと思わないの?」




「……思う、けど……」





ニヤリと、嬉しそうに笑う雪乃。







「だからさ、小夏だけじゃないよ。この半年が嫌いなのは」




「…………うん」




「大人っぽくなんてなろうとしなくていいよ……もう俺を惚れさせるには充分だから。半年なんて、あってもなくても小夏が好きだもん」



「……ごめんね、雪乃」



「うん」