「俺から逃げれるかよ、バカ小夏」 「……バカだもん」 恐る恐る見上げた雪乃の顔は、怒るでもなく、悲しむでもなく。 なんだか、少しだけ余裕な表情だった。 きっとまた、バカにしてる。 あたしの気持ちなんて全く伝わってないんだ。 あたしにとっての辛い半年は。 雪乃にとってなんて、きっとなんでもない半年なんだ。 また涙が出そうなる……。 だけど。 「言っとくけど……俺だって、嫌いだからな。バレンタイン」 「……え」