「今年、何作る?」
「トリュフ……かなぁ」
「やっぱ定番だよね。溶かして生クリーム入れて丸めるだけだし」
「ちょっ、雑すぎでしょ(笑)」
2月7日。
バレンタインデーの一週間前。
クラスの女の子達は、そんな感じでチョコの話で持ちきりだ。
もちろん、好きな人や彼氏にあげるために気合いを入れて作る子もいれば。
友チョコとしてそれなりにこの行事を楽しみながら、作る子もいる。
「小夏は今年どーするの?」
いきなり振られた問いかけに、ハッとしとあたし。
夏生まれの18歳。
あと一月もしないうちに社会人になる、高校3年生だ。