「光、放送行ってくるぅ♪紗雪も来てっ♪」



「え?…っわ!」




それもつかの間、またも光に手首を思い切り引っ張られて、あたしは部屋を後にした。





「は、速いよ光っ!」


「えー?」




っていうか、最近よく思うけど、光って華奢な身体してる割りには意外と力が強い。



いっつもばたばたしてるくせに、疲れてる様子は一度も見たことないし。




見た目の数倍、体力あるなぁ…。





「ほら、着いた♪」


「…え?」




走っている間、あたしの言葉に適当に反応するだけの光だったけど、そのおかげで2分弱でここまで辿り着いた。



そこは放送室。


一体、いつ使われてるんだと思われる、律明高校の放送室だ。





「失礼しまーす♪」




光はあたしを連れて、少しだけ埃っぽい放送室にずんずんと入って行った。