再び、部屋に静寂が広がる。 あたし、どうしたら……。 見たところ、この人、3年生っぽいし…。 あたしがびくびくしながら様子を窺っていると、 「まぁまぁ。もうその辺でいいんじゃないかな」 彼の背中から、聞き覚えのある優しい声が聞こえた。 こ、この声は……。 「昨日ぶり。無事に教室に戻れてよかったね。水瀬さん」 「ほ、保高先輩…!!」 ボスの後ろから突如現れたのは、昨日、図書室の前で路頭に迷っていたあたしを救ってくれた救世主、保高雅臣先輩だった。