「……何か用かな?霧生くん」
「うわー他人行儀ー。ソウくんか総也くんでいいよー」
………。
あくまでくん付けは必須なのね。
あたしは「……それで?用は?」と視界をノートに戻して続ける。
「あ、そうそうっ!今朝紹介したいって言ってた人のことなんだけど。今日の放課後、ちょっと空いてる?」
「空いてない」
「即答じゃん!嘘でしょ、空いてるでしょ~」
「空いてません」
何が悲しくて、大嫌いな男なんかに時間を預けなければならないんだ。
あたしは頑としてその要請を拒否し続けた。
が、侮っていたヤンキー男の根気と身勝手さ。
「ちょっとついてきてほしいところがあるんだよ」
だから、空いてないって言ってるでしょうが…。
