その、翌日。



昨日の放課後に、しつこく「メアド」「メアド」とうるさかったあの男の子が、朝1番から突っ込んできた。





「おっはよーーーん♪紗雪ちゃんっ」



「ひっ!!」




彼の名前は、霧生総也(キリュウ ソウヤ)。


結局、昨日無理矢理アドレスと名前を書かれたメモを押しつけられて、受け取ることを条件に解放されたわけだ。




あたし、マジでこの人苦手。



もろ“男!!”って感じがして、恐怖以外の何者でもない。





「……おはよう…」



「うわー。昨日の放課後は、あんなに仲良しこよしでお喋りしてくれたのに、傷つくわ」



「………」




今日もチャラ男は健在のよう。



仲良しこよしでいつお喋りしたのか、全く覚えがないが、彼がこう言っているのだからあたしからはあえて何も言わないでおこうと思う。