「葛城さん…?どうしたの?」



「え?ううん、何でもないよぉ!っていうかその“葛城さん”って何それー!」




え……!?



さっき、一瞬呟いた低い声。何だったの…?




ま、いいか…。




あたしは「もぉ~!」なんて言って、肩をばしばし叩いてくる彼女を押し止めた。





「い、痛い痛い」



「あ、ごめぇ~ん!光と紗雪は親友なんだから、ちゃんと“光”って呼んでくれなきゃやなんだもんっ!」



「ひ、光…。これでいいかな…?」



「OK~!!」




その後、どうにか彼女から解放され、あたしたちはクラスに戻った。



担当の先生に軽く叱られたけど、葛城さ…、光は「ごめん、井山センセ☆」なんて言って、けろっとしていた。