「おりるぞ、紗雪」


「え?あ、はい」




あれ?律明じゃない…?



新たに車が停車したところは、学校なんかじゃなくて。


白い大きな一戸建てのお屋敷の前だった。




「…“霧生”…。え、霧生!?」



表札には見覚えのある名字が彫ってある。



「ここは総也と稟の家だ」


「えぇぇぇ!!ここが…!?」




驚くことに、この大きなお家はあの双子の実家なのだそうだ。


で、でも、どうして…?




なんて色々考えている間にも、梶先輩は霧生家のインターホンを躊躇なく鳴らす。


暫くすると、『はい』スピーカー越しに大人の男性の返答が聞こえた。



付属しているカメラから訪問客が梶先輩だと気付いたのか、即座に『只今、お開けいたします』そう発せられた。



直後、閉まっていた門が自動的に開門した。