総也が学校を無断欠席するようになって数日。




バンッ!!



「棗!!今日は来てるんでしょっ」




光が物凄い形相で校正会室に入って来た。



そう。珍しく今日はきちんと登校している梶先輩。


総也の件以来、結構頻繁に学校に出てきているみたいだ。




「騒々しいぞ、光。一体どうしたんだ?」


「夏休みまでに総也と稟を連れ戻さないと絶対ピンチだと思うっ!!」




オミ先輩は、「連れ戻す?」眉をひそめて問い返す。


傍で話を聞いていた稟本人がちらりと光の横顔を見やった。




「まさかうちに押し掛けるなんてこと、しないよね」


そのまま愛読の本を膝に置いて、光を睨むように見つめた。




「そうでもしないと総也が望んでもない転校をさせられちゃうんでしょぉ?」



光は「一大事だ」と意気込んで、ぐっと拳を強く引いた。