え……?
振り返ると教室のドアのところに、総也が立っていた。
あたしを心配そうに見つめて、あたしと目が合うと教室へ入って来た。
「総也…」
「え。何で泣いてんの!?もしかしてまた変な奴らに嫌がらせされた!?」
「ち、違うよ…」
赤くなった目元を見て、総也が焦ったように言う。
嫌がらせなんかじゃない。
別に光に男の子ってことを言われてなくても、光は今まであたしに優しく接してくれた。
これは嫌がらせなんかじゃない。
なのに涙が出るのは、裏切られたと、思っているからなの?
「どうした?悩み事かよ?」
「……総也は…」
「ん?」
「総也たちは、光の本当の性別とか名前とか、知ってたんだね…」
「え」
それを聞いた総也はその意味を理解したらしく、黙り込んでしまった。
