暫くあたしは何も言えなかった。
こういう状態を、“放心する”って言うんだろう。
「ど、ど、…どういうこと?」
それからどうにか絞り出した声は、明らかに震えていた。
光が、光が、男の子、だったなんて。
そんなの今すぐに信じろ、なんて言われても到底無理だ。
あたしは女の子として光に接してきたし、
女の子だと思って光と仲良くしてきた。
それを、今更違う、だなんて。
ぐちゃぐちゃになった感情が涙として零れ落ちた。
「今まで黙っててごめん。俺、ヒカリじゃねぇんだ。本名は、葛城光(カツラギ アキラ)。正真正銘の、男だよ」
………葛城、あ、きら……?
