今まで黙視を続けていた会長に、助けを乞うように視線を向ける。




「そんな暇はない」




………。



…が。あっさり振り切られてしまった。






「あはは…。そう、だよね」


「だから言ったでしょ。俺たちにそんな余裕はないって」



オミ先輩が苦笑して梶先輩に答えた後、“当たり前”と言った顔をしてそんなことを言う稟。





いい案だと、思ったんだけどなぁ……。



なんて、考えていたところ。





「紗雪がその係りになるなら、問題ねぇ」



「え?あたしが、ですか?」



「あぁ、それはいい考えだね。水瀬さんが中心になってその仕事を受けてくれるのなら、俺もやっていいと思う」





梶先輩に付け加えるような形で言われ、あたしは少し考えた。



そうだよね。そもそもあたしが言い出した話なんだから…。







「わかりました。あたし、やります」






こうして、ちょっと予想してたものとは違うけど、意見箱の設置はどうにか採用された。