じ、冗談じゃない…。


あの男に捕まったら、今度こそしつこく携帯を突き出されて、アドレスを奪われるに違いない。





あたしははぁはぁと乱れる呼吸を整えながら、遠回りして教室へと向かっていた。





授業は出来るなら休みたくない。



あたし、不良じゃないし…。





その途中。




「図書室…?」




こんな部屋あったんだ。



人気のほとんどないフロアへ出たと思ったら、それもそのはず。



その先には“図書室”と書かれたプレートが垂れ下がる部屋が1つだけ。





不良やギャルたちには無縁の場所よね…。



あたしは興味本位で図書室の扉に手をそえた。