光と一瞬目が合ったけど、光はにっこりいつものように笑いかけてくれた後、オミ先輩へ向き直ってしまった。




やっぱりまだ、距離がある。


ちょっと、寂しいなんて、感じてしまうあたしはもう手遅れなのかなぁ。




もっと光と仲良くなりたいって、思ってるけど…。





「棗には一応、水瀬さんが退学まではさせなくていいって思ってること、伝えておいたよ。水瀬さんがそれでいいならいいんじゃないかとも話してたけど」


「そっかぁ。じゃぁ紗雪次第ってことかなぁ」


「俺は退学させた方がいいと思うけどね。こういうのは1回じゃ終わらないものだよ」





……。




「水瀬さんはどう思う?やっぱり退学は厳しい?」



「………」



「紗雪…?」




……あ。



目の前で光が手のひらをぶらぶらさせていることに気付いた。



あたし、ボーっとしてたみたい。