「あー。光もあったあったぁ。そういう嫌がらせぇ~」



校正会室のソファでくつろいでいた光があたしたちのもとまでやって来て、パソコンの画面を覗き込んだ。




「今も…?」


「今はないよぉ」


「そっか。ならよかった」



もう光も役員として受け入れられてるってことなのかな。


あたしも受け入れてもらえれば、こういう嫌がらせはなくなるのかな。





「勘違いされるとあれだけど、光の場合は例外だからね。水瀬さんの場合は、これからもちょくちょく地味な嫌がらせもあるかもしれない。もちろん、防止は俺たちが全力でやるけど」


「例外…?光は何の例外なんですか?」



オミ先輩に問うと、彼は隣の光へ目をやって何かを尋ねているようだった。




…??



「あぁー…。別にそれといったことでもないよぉ。それよりオミぃ。例の紗雪をいじめた奴らはどうなるか決まったぁ?」




あ…。また誤魔化された。


光はあたしに何か、言えないことでもあるんだろな。



ううん。皆それぞれに人に言えないことぐらい、あるよね。




あたしだって、ある……。