そこから会話のバトンは総也へと移された。




「それを助けたのが、棗の親だったって話だな」





2人の話によると、律明の閉校の話が進み始めて、当時の理事の人たちも逆らえない状況になっていた頃。



梶グループが全面的に律明を援助するという話を持ちかけ、経営困難に陥っていた学校側は梶グループの金銭的な援助により、今一度、学園生活を取り戻したとか。


同時にグループの御曹司である梶先輩を入学させることにより、実質的な支配権を梶側に握らせて生徒の収拾をつけたのだという。





ちょっと話がややこしくて難しいけど、そういう理由で学校側ともちろん、生徒たちは梶先輩には逆らえない現状になっているらしい。




「だけど棗って案外フリーダムだからあんまり派手に動いたりしないし、結構人気もあるから、それはそれで上手くやってこれてるんだよな」



「そうそぉ。あれが棗じゃなかったら反発もまだあったかもしれないけどぉ」




うーん、そうなんだ。



2人の話で何となく、律明の実態はわかったけど…。


それでも、せめて梶先輩に何かを提案するぐらいは、許されるんじゃないのかな。



校正会役員だけじゃなくて、全校生徒が。