は、はい…?




その言葉の意味がわからなくて、



いや、わかりたくなくて頭を小さく横に振る。






「あ、あの…。そろそろ授業始まる、よね」




あたしは苦笑を浮かべつつ、さっき抜け出してきた教室へUターンしようと彼女から遠ざかる。





に、逃げなくちゃ。



直感的にそう感じた。







その、時。




「光~!そんなとこで何して…。って、そこにいるの紗雪ちゃんじゃーんっ!」





前方。教室の方面から、さっきクラスの中で何度も接触されかけた人物が右手を挙げてこちらへと駆け寄ってきていた。





や、やばい…!あたし、あの人苦手!!



あたしの足がピンチを悟ってすぐに方向転換する。





「あ、総也~。って、紗雪ぃ!?」




葛城さんがさっきの男に振り向いている隙をついて、あたしは2人のもとから猛スピードで逃げ出した。