その時。
『紗雪ーっ!いるのー!?』
え…!?
ドアの向こう側から、聞き慣れた声が耳を通る。
ドンドンドンッ
もう一度、閉まったドアを強く叩いて存在をアピールしてから、「ここにいる!!」大きな声で叫んだ。
『あ、そこかぁ!大丈夫ぅ!?今助けるからぁっ!!ほら、棗たちも手伝って!』
「光…!?皆そこにいるの?」
『いるよぉ!雨が降って来たから他の生徒はもうロッジに帰したけどぉ。棗が1人で戻ってきて“はぐれた”とか言うから探しに来たの!』
よ、よかった……。光の声だ。
役員の気配もする。
光たちはガチャガチャと外側から取り付けられた鍵を外し、ドアが開いた。
