「それでは次の方々ぁ♪行ってらっしゃいませぇ!」
それから暫くして。
あたしと梶先輩の前のペアが廃校へ入って行った。
「あー、次は紗雪たちだぁ♪楽しんできてねん!」
「光はまだ入らないの?」
「総也たちがそろそろ出てくるから、それと交替してから入るよぉ~」
入口前で入校者の案内役を務めていた光が、隣の女の子に「待たせてごめんね?」声をかける。
女の子は顔を真っ赤に染めてぶんぶんと頭を横に振って意思を伝えていた。
ひ、光が一瞬、男の子に見えちゃった!スタイルがいいと、ああいうかっこいい顔もできるんだなぁ。
「結構頑張っちゃったから、中々怖いと思うよぉ~!2人とも、気を付けてね!オミなんて入る前からガタガタだったからぁ!マジ笑えたぁ~」
光は数分前に入って行ったオミ先輩を思い出して大爆笑。
「あ、そろそろいいよぉ。それじゃぁ、いってらっしゃぁい♪」
そしてついに、あたしと梶先輩の入校の番がやって来た。
「行くか」
「は、はい」
真っ暗な闇の中へ、ゆっくりと歩を進めていく。
