「ごめん。もしかして、ずっとついててくれたの?」


「んー?まぁ、可愛い女の子の看病なら役得だしな!」




白い歯を見せて笑う総也。



そっか…。試合も放棄して、ずっと看病しててくれたんだね。





じわり。目頭が熱くなる。



男の子にこんなことされるの、初めてだから…。




あたしは今まで、男の子なんて所詮、自分中心で身勝手で暴力的で考えなしの生き物だと思い込んでた。



だけど、こんなに温かい人だって、ちゃんといるんだよね…。





ガチャ



「総也ー。紗雪の具合はどーぉ?1番近くのスーパーまで行ってゼリーとか買って来たけどー」


「ジュースも一応、色々持って来たよ」



「その桶の水変えて来るから貸して」




そこでやって来たのは、買い物袋に甘いものをたくさん買い込んで持ってきてくれた光と、ジュースを両手いっぱいに抱えたオミ先輩。


あたしのために桶の水を冷たい水に交換してくれるという、稟。




「入る」



あたしの様子を見に来てくれたらしい、梶先輩だった。