声のする方へ顔を向けると、そこには…。




「無理すんなよ」




タオルを絞った総也がいた。



ひんやりと冷えたそのタオルを、あたしの額にのせてくれた。






「そう、や」



「まだ辛いか?何か食べたい?」



「ううん…。あたし、倒れたの?」



「そう。ビーチバレーの試合中にな。気を失いかけたところにオミのサーブが飛んできて、俺がかばった分は凌げたけど…」





かばった……?



あ…。



本当だ。確かに、総也の片腕が赤く腫れている。



ボールの跡がくっきりついてる…。




「ご、ごめん!手当しなきゃ…!」



「俺は平気。さっきまで冷やしてたし、もう何ともねぇよ」




起き上がろうとするあたしの肩を押さえて、総也がもう一度布団へ寝かせる。



あたしは総也の赤くなった右腕を見つめた。